神様修行はじめます!
「うがあぁぁっ!!」

しま子の叫び声が聞こえる。

ぎぎぃっと扉の軋む音。

扉を無理に開けて、中に飛び込もうとしてるんだ。


しま子・・・だめ!


ドスンっ!と音が響いて扉がしまる。

「があっ!」

しま子の悲鳴が上がった。

首以上は体が入らないように、扉に呪がかけてある。


「しま子、動くな」

門川君の感情のない声が聞こえた。

「動くとお前の首が落ちるぞ」


しま子の悲しげな叫び声が響いた。


門川君、なんて感情の無い声なんだろう。

冷たいヤツだってのは知ってたけど。

あたしを助けようとして苦しんでるしま子を見ながら、そんな冷たいセリフを・・・。


「ウキャアアアァッ!」

ハッとして我に返った。

ウサギの耳が突然、細長いヒモのように伸びる。

それが鞭のようにしなって、あたしに襲い掛かかってきた。


― ヒュルルルッ ―


ビシィッという音と共に、あたしの首を絞めた。

ぐうぅっ!!

圧迫感に目を見開く。

もちろん呼吸なんて全然出来ない。

容赦のない締め付けにノドが苦しい!
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