神様修行はじめます!
「うがあっ!」

しま子が唸り声を上げながら、あたしをかばって立ちはだかった。


「鬼を使役するか。よかろう・・・」

狐面がしま子に向かって一歩踏み込む。

「があぁっ!」

しま子も勇ましく前に踏み込んだ。


し、しま子! だめだよ!

こんな所で暴れちゃダメ!

どーしよう! しま子、怒ると人格豹変しちゃって手が付けられないよ!


「待て」


その時・・・

紅い紅を塗った唇が動いた。



今まで、まるきり我関せずといった雰囲気だったお母さん。


そのお母さんが、じっとあたしを見ていた。

黒目がちの感情の見えない両目で。

そして、手に持った扇子であたしを指す。
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