神様修行はじめます!
絹糸・・・怒ってる?

金色の目の輝き具合が、いつもと全然違う。

いつもは飄々とふざけてばかりいるのに。


「ふん。ケモノの分際で、貴様こそ口の利き方に気をつけろ」

「・・・なんじゃと?」

「四つ足の醜いケモノが何を言うか。汚らわしい」

狐のお面の下から、くつくつと忍び笑いが聞こえた。


「尻の青い若造には、少々お仕置きが必要かのぉ」

絹糸の金の両目がギラリと尖る。

そして青白い毛並みがゾワワッと逆立った。


それを合図のように狐面の体中から、嫌な感じの空気がにじみ出てき始めた。

なに・・・? この、空気?


嫌な感じ・・・近寄りたくない、何か。

そうとしか、うまく表現できない。


とても危険で不快な何かが・・・

じわりじわりと、生き物のように膨らんでいるのが分かる。


・・・あれ?

あたしは周囲の様子の変化に気付いた。

柱、が・・・。


周りの柱の色が、消えていく・・・??


錯覚じゃないっ。

嫌な空気が広がっていくごとに、柱の朱色がどんどん薄くなっていく!

なにこれっ!? なんでっ!?
< 174 / 495 >

この作品をシェア

pagetop