神様修行はじめます!
「やめろ、絹糸」

ハラハラしながら状況を見守っていたあたしの耳に、突然救いの声が聞こえてきた。

この声って・・・!


あたしは期待と安堵に胸を膨らませながら、声の方向を向く。

あぁ・・・やっぱりだ!


「か、門川君ーっ!!」

「あまりに遅いので様子を見に来たら、これか」


いつの間にか、彼があたし達のすぐ後ろに立っていた。


あぁぁ会えて嬉しい! んもう、いろんな意味で!

イケメンって絶好のタイミングで現れるものなのね!

さっそくだけど、お願いイケメン!

この状況を収束して-!


「絹糸、トラブルを防げと頼んだのに自分が首を突っ込んでどうする」

「ちと、教育してやろうと思ってのぉ」

「よせ。・・・母上」


門川君はお母さんに向かって頭を下げた。


「御無礼のほど、なにとぞお許し下さい」

「・・・・・」

「この者達には後でよく言い聞かせます」

「・・・・・」

「本当に申し訳ございませんでした」

「・・・・・」


お母さんは何も言わない。

それどころか、門川君を見もしない。

ピクリとも動かないまま、しゃべらないまま、だ。

・・・・・?

よっぽど怒ってるのかな?
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