神様修行はじめます!
「それではこれで失礼致します」

もう一度、丁寧に頭を下げて彼はあたし達の方を向いた。


「さあ皆、行くぞ」

「うんっ、行こう!!」


あたしは、いそいそと彼のそばに擦り寄った。

さっさと行こう、すぐ行こう!

とにかく、今すぐこの場から・・・

「永久どの。よろしいですかな?」


・・・・・。

なんなのよ~! この狐顔はっ!

あたし達がこっから離れようとするたんびにジャマしくさって!!


そんなにあたしと離れたくないかっ!

恋かっ!? それって恋かっ!?



「なんだ?」

「下の者への教育が、行き届かないご様子ですな」

「この者達は僕の配下ではない」

「いずれにせよ、お気を付けなさるがよろしかろう」


狐の面の下から・・・

全身から、また嫌な空気がじわじわと染み出してくる・・・。


「この屋敷では、何が起こるか分かりませぬゆえ」


噛んで含めるような、わざとゆっくりとした口調で、狐面はそう言った。
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