神様修行はじめます!
「さて、それでは手を離していただこうか」

狐面が勝ち誇った声を出す。

「我がままはいけませんなぁ。永久どの」

揶揄するような声。

からかっているんだ。


・・・むかつく。



「我がままはそっちじゃろうが」


絹糸・・・。


「誰が永久に世話を頼んだか、聞いたであろうが」

「ケモノめ・・・」

「当主である永世の、直々の命令じゃぞ」

「・・・・・」

「当主の命令は絶対。逆らうのか? 華子(はなこ)よ」


「きっさまぁぁぁっ!!」

狐面があたしの手を離し、大声で叫ぶ。


「奥方様の御名を、御名を・・・よくも呼び捨てに・・・!!」


ぎりぎりと歯軋りが聞こえてくる。

まるで全身から、たくさんの怒りの咆哮が響いてくるみたいだ。

うわっ、本気でキレてるよこの人っ。



「人の子風情に敬称なぞ不要じゃ」

「許さんっ!!」

「やれやれ、腰ぎんちゃくめが」

「この場で死ねえぃっ!!」
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