神様修行はじめます!
「実際はどうなの? お兄ちゃんって」

「我の見たところ、あれは本当に能力を継がなかったようじゃのぉ」

「ねぇ、まさか・・・」

「なんじゃ?」


あたしは口元に手をあて、声をひそめた。


「実はお父さんの子じゃない、とか・・・」

「それはない。間違いなく永継は門川の長子じゃ」


なんだ。そうなの?

せっかく思わせぶりにヒソヒソ声にしたのに意味ないじゃん。

気ぃ抜けちゃった。


「でもさ、ひょっとしたら・・・」

「次期当主を産む女は、婚儀の前に呪をかけられる」

「呪? どんな?」

「伴侶以外の子は産めぬ体にされるのじゃ」



え―――っ!?

それって本当っ!?


なんかそれって人権侵害じゃない!?

あたし女として、そこはちょっと黙ってられないカンジ!!



「今はちょっと黙っておれ。論点はそこではないのでな」

「でもっ!」

「とにかく、永継は間違いなく長子じゃ」

「はぁ・・・。なのに力を継がなかった」

「有り得ぬ事が起きた。それが問題じゃ」
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