神様修行はじめます!
「華子はまず、まだ幼かった永久を自分の手元に置いて育てた」

「なんで? 門川君と敵対してるんでしょ?」

「周囲が手出しできぬよう、永久を囲い込んだんじゃよ」


そして毎日毎日、その耳に吹き込み続ける。


『お前は門川の子。

生母亡き今、わらわがお前の母に他ならぬ。

子ならば母を敬え。敬え。敬え。


母を慕え。

母に従え。


母の思惑に背くは、許されざる大罪。

親不孝は、子の最大の罪。


親不孝者は、死を持って罰せられる。


よいか? お前がこの世で生き延びるには

わらわに従う以外に道はないと知れ』



「朝となく昼となく夜となく、繰り返し永久はその言葉を聞かされ続けた」



悪しき呪文のように・・・

その言葉は幼い無垢な心に積もり、固く固く根付いてしまう。
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