神様修行はじめます!
「小娘。お前が修行を嫌がって隠れても、すぐに永久が見つけるじゃろう?」

「え? う、うん」


不思議なくらい簡単に見つけられちゃうけど。

それが?


「子どもの頃、永久も同じじゃった」

「同じ・・・?」

「華子の『修行』を恐れて、いつも隠れておったんじゃよ」



ヒザを抱えて座り込み、カタカタと震えながら。

必死に祈り続ける。



――どうかどうか、見つかりませんように。

また次も、生きて帰れるかどうかなんて分からない。

次こそ殺されるかもしれない。


怖い。怖い。

死ぬのは怖い。死にたくない。


どうか見つかりませんように。

あの母上に見つかりませんように・・・――



でも、その願いも虚しく・・・

いつも永久は引きずって連れて行かれた。


『いやだあぁ! だれかたすけてぇ!』


永久の泣き叫ぶ声が、悲しく庭に響いた。



「屋敷の中で隠れられるような場所は、全て永久は知り尽くしておる」

「・・・・・・・」

「だからお前の隠れた場所など、永久には簡単に分かってしまうんじゃよ」
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