神様修行はじめます!
『彼女は僕の元にいる』


あの時、どんな思いで言ったんだろう。

逆らえないはずのお母さんに逆らってまで、ハッキリとそう言った。


あたしの手を決して離さなかった彼。

手と手を繋いで、廊下を走った。



「つい、思うてしまったわ」

絹糸の、独り言のように小さな声。



「おそらく誰かに手を引いてもらった記憶など、物心ついてから一度も無かろうよ」



門川君・・・。

あたし・・・

彼のそばにいたい。


さっきとはまた別の気持ちで、強くそう思った。


鼻の奥がツンと痛んで、両目の周りがじわっと痛む。

唇をキュッと強く結んで、あたしは決意した。


彼の力になりたい。

そのために・・・


天内の力を使いこなしたい。


それがちょっとでも、ちょっとでも彼のためになるのなら。


あたし、頑張って修行する!

もう決して逃げない!

絶対、この力を使いこなしてみせる!!
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