神様修行はじめます!
綺麗に仕上げられたお白粉。

口元を彩る、深みのある紅色。


相変わらずの無表情。だけど・・・

だからこその、日本人形さながらの気品と風格あふれるたたずまい。


う~~~ん・・・。


さすがに、この奥方には軽口は叩けない。

狐面にだったら叩けるんだけどな。いくらでも。


格の違いってやつなんだろうな。

性格の悪辣さも格が違うけど。この人の場合。



「よい、狐面。早く済ませよ」

「・・・仰せのままに」


無言で正面きって奥方をガン見しているあたしが気に食わないんだろう。

こっちを痛いくらい睨んでいた狐面が、頭を下げた。


そしてあたしの目の前に何かを運んで来て、そっと置く。



? ガラス板張りの机?



枠と足が金細工で豪華なのが、いかにもここの調度品だけど。

この机が何?

自慢してんの? あたしに褒めろってかい?

悪いけど、こーゆーのあたしの趣味じゃ・・・


・・・ん?

・・・・・え??


あたしは、目を凝らしてジッと見詰めた。
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