神様修行はじめます!
覚えてる。

お見舞いに行ったら、じー様がプレゼントを用意してくれていたんだ。

赤い小さな、とっても可愛い手鏡。


『里緒も最近、おシャレさんになったからなぁ』


そう言って笑ってた。

京都から取り寄せた品だって。

自分が具合が悪い時に、あたしのためにわざわざ。


ありがたくてありがたくて、本当に嬉しかった。

喜んでるあたしを見て、じー様も嬉しそうだった。



『じー様、早く元気になってね』

『おぉ、すぐ元気になるともさ』

『そしたらまた一緒にカラオケ行こうね』

『約束するよ』

『約束だよ。絶対だよ』

『おぉ、絶対だよ』



絶対・・・。

そう、約束したのに・・・。


じー様はこの後、みるみる弱っていった。

そしてそのまま・・・

二度と約束は守られる事はなかった。
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