神様修行はじめます!
あたしは水に手を浸したまま水面を見続けた。

特に意識する必要もなく、映像は素直に滞りなく進んでいく。


完璧に磨ききった鏡のような水面。

時を越え、そこに映し出される姿。


今そこに、間違いなく存在しているかのようなリアルさだ。



そんなリアルさで、じー様の門川での日々が克明に映し出されていく。

その日々は・・・


孫のあたしから見ても、かなり大胆だった。



例の伝書亀に手綱をつけてまたがり、庭を爆走している。

じー様、ノリノリ。

庭木も庭石も吹っ飛ばし、んもうメッチャクチャ。


そして嫌がって暴れる亀もろとも、思いっきり建物の壁に突っ込んだ。



建物、半壊状態。

土煙がもうもうと上がってる。



あれ・・・今の永世おばあ様の部屋だ。

てことは、あそこ、『ご当主様の部屋』ってことだよね?



おばあ様の部屋、なーんか違和感あったんだ。

材質とか雰囲気が建物の半分だけ微妙に違うの。

うちのじー様が原因だったのか・・・あれって。
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