神様修行はじめます!
短かったのか、長かったのか・・・。

時間の感覚が、麻痺してよく分からない。


ただ、あたしはとにかく呼吸をして・・・。

吸って、吐いてを繰り返していた。


そんなあたしの目に、次に映ったのは・・・



おばあ様を抱きかかえて逃げる、じー様の姿だった。



ぐったりした裸の体に着物一枚を巻いただけの姿。

そんなおばあ様を抱きかかえて、じー様は走り続けていた。


自分達をつかまえようと襲い掛かってくる追っ手。


鬼や、不思議な色や形をした生き物たち。

とらえどころの無い不気味な姿の異形のモノ達。


それらを片っ端から滅火の炎で滅しながら、じー様は走り続ける。


やがて・・・



真っ白な光り輝く円の中心に捕らわれて、じー様は、おばあ様もろとも倒れこむ。

もがいても動けない。
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