神様修行はじめます!
『俺のこの身も、この心も、全て永世だけのものだ!!』

『永久不変、久遠の鎖を持てる者、その名を呼べ』


当主が人差し指と中指をぴんっと天に向け、不思議な言葉をつむぎ出す。


呼応するように、じー様の倒れている周囲の床が、大きく、真っ白な円に光り輝いた。



『当主様!』


『望む意思の交差、時の砂を超えて呪縛の安らぎに浸る。ただ、無と従属とを犠牲にして』


『当主様!』


『黎明と黄昏の果ての孤独、そして見える物見える時、その名を呼べ』



じー様は、動かない体でズリズリと這い出した。

なんとか光る円から逃げ出そうとする。



『久遠の鎖を持てる者、なんじ、天内 直』



ひときわ白い円の輝きが強くなった。

痛いほどの輝きの中、じー様の絶望の表情が影になる。


そして・・・

光は徐々に小さくなって・・・


音も無く、消え去った。
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