神様修行はじめます!
ぐるぐる

ぐるぐる

ぐるぐるぐると、頭の中に声が響く。



奥方の声が淡々と、絡み捕るように。

砂に染み込む水のように。



あたしは、何のために生まれて来たの?

門川へ送り込まれる為に?

じー様に利用される為に?



おばあ様は、あたしを見てどう思った?

顔で笑いながら、心の中で何を思っていた?

復讐の暗い炎が揺らめいていた?


あたしが、あたしが・・・

門川にいる意味は・・・・・?




「ここに来る前に言った事を覚えているか?」

狐面が、いつの間にかあたしのすぐ横に座っていた。


「こちらの示す真実を見て、どちらを信じるか自分で決めろと」

あたしの耳元にささやかれる仮面越しの声。




「さあ、どちらを信じる?」


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