神様修行はじめます!
「いったい何だというんだ?」

「なんでもない」

「さっきから少し変だぞ、君」

「ごめん、えへへ」

「まあ、君が変なのは生まれつきのようだが」

「えへへ・・・」



あたしは無理やり笑顔を作った。

頬の筋肉が痛い。

胸の奥が痛い。


頑張らなきゃ。頑張れあたし。

笑うんだ。笑え。




「さて、それではそろそろ修行を始めるぞ」

へらへらと笑い続けるあたしを呆れるように見ていた彼が、そう言って立ち上がった。


「君も最近、進歩が見られるようになったからな」

「えへへ、嬉しいな」

「今日はおばあ様に成果を見ていただこう」


「・・・・・え?」

あたしの笑顔が、ぎこちなく固まる。


「おばあ様は、君の成長を心待ちにしておられるようなんだ。きっとお喜びになるだろう」


・・・・・。


あたしの顔から、笑顔が消えた。
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