神様修行はじめます!
『大丈夫、きっと大丈夫』

そんな声が聞こえてきそうな笑顔と涙。

手の中の花束。


すべてあたしのために・・・。



「ごめんっ! しま子っ!」

耐え切れずにあたしは走り出す。

しま子の横をすり抜けて、泣きながら走る。


「あ―――っ!!」

しま子が叫んで追いかけてくる。


「来ちゃだめっ!」

「あ―っ!・・・」

「命令だよ、しま子! 来ないで!」

「・・・・・っ!」

「さようなら! 元気でね!」



しま子の悲鳴のような叫び声を聞きながら、あたしはひたすら走った。

声が聞こえなくなるまで。

息が切れても、止まらず走り続けた。


やっと声が聞こえなくなって・・・。

あたしは立ち止まる。

そして・・・



糸が切れたようにドサリと座り込んで、大声で泣いた。

< 306 / 495 >

この作品をシェア

pagetop