神様修行はじめます!
すっきりと彫り込まれた切れ長の二重。

銀色のメガネ。

その奥の、感情を押し殺すことに慣らされてしまった瞳。



皮肉で、大人びた言葉ばかりの唇。

時々、隠しきれない思いやりの本音が出る。

照れ隠しに、ますます皮肉を言ったりして。



冷たい体。冷たい指。冷たい態度。冷たい言葉。



その裏の、誰にも知られない優しさ。

理解などされなくてけっこうだ、とでも言いたげな・・・

遠くを見る、あの孤独なまなざし。


それがいつも、切なくてたまらなかった。



あたしがいるよ、と言いたかった。

あたしが、ちゃんとわかってるからね、って。

心の中で、そう言い続けてた。


いつか、言葉ではなく、心が彼に通じる日が来る事を、あたしは信じていた。


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