神様修行はじめます!
着物一枚じゃ、この吹雪はとても耐え切れない。

真夏に吹雪くのがここじゃ常識だってんなら話は別だけど。

もし異常気象なら絶対に危ない状況だよ。


なんだか心配になってきた。

意外に大丈夫なのかもしれないけど・・・。


でもやっぱり気になる。ほっとけないっ。


戻って声を掛けよう。

「一緒に中に入らない?」って。

思いっきり無視される可能性は高いけど。

それでもまぁ、一応、やるだけの事はやってみようっ。


あたしは小走りに洞窟の入り口まで戻った。

すると・・・


・・・・あれえぇっ!!?

吹雪、やんでるぅっ!!?



さっきまであれほど悪天候だったのが、すっかり治まってしまっている。

たち込めていた薄白い霧までスッキリ晴れてる。

しかも・・・。



ここに来た時と、洞窟の外の景色が違っている!


見渡す限りの大木も、歩いてきた一本道も、どこにもない。

変わりに見えるのは滝や、湖や、山や・・・。

絹糸と一緒に歩いた時の、あの風景だ。

刻々と微妙に変化していくあの景色だ。


?? いったいどうなってるの??

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