神様修行はじめます!
驚いたあたしは、慌てて狐面から離れようとした。

・・・・・!?

手が・・・

手が、狐面から離れない!


このスケベ! 離せっ!!

必死に踏ん張り勢いをつける。

グイグイと容赦なく引っ張った。


・・・・・だめっ! ビクともしない!

巨大な磁石にくっつけられてるみたい!

どうしよう!


・・・ううんっ。

どうしよう、じゃない。

どうにかするんだ。自分で!


あたしはヒザを思いっきり自分のお腹に近づけた。

蹴り飛ばしてやる!


蹴ろうとして・・・

そのままカクンッと崩れ落ちてしまった。


あれ? ち、力・・・

力、入んない。

体から、どんどん、どんどん・・・

どんどん力が抜けていく・・・


「お前の力、全て喰らい尽くさせてもらう。その命尽きる最後の一滴までな」


頭の上から狐面の声が響く。
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