神様修行はじめます!
「永久達は、どうしたのです?」

「イマダ、洞窟内ニ、イル様子デス」

それだけ伝えると、彫刻鳥は来た方向へ帰っていった。



座敷は途端に大騒ぎになった。


「崩壊だとっ!?」

「永久様をお救いせねば!」

「どうやって!?」


蜂の巣をつついたような騒ぎ。

皆が慌てふためきオロオロする。


「空間ひとつが丸々消滅するのだぞ!」

「周囲へどんな多大な影響が・・・」

「そんな事より永久様を・・・!」



「皆のもの、控えよ」



場違いなほどに落ち着き払った声が響く。

華子の紅い唇が、静かに言葉を紡いだ。


「急ぎ、結界術に優れた者を洞窟へ向かわせよ」

「はっ。永久様を、お救いいたします」

「ならぬ」

「・・・・・は?」

「そんな事に時間をさいている場合ではない」


皆が顔を見合わせた。
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