神様修行はじめます!
― バチバチバチっ!! ―

見えない糸に絡み取られたように絹糸が止まった。

「きゃっ!?」

「正門の結界だ!」


結界!? またなのっ!?

この期に及んでいいかげんにしてよ!



『『用のない者は通させぬ』』



正門の狛犬の声が周囲に響いた。


「用があるから通るに決まってるでしょ!」


今はそれどころじゃないの!!

ゴチャゴチャ言わずに、とっとと通せぇ!!



『『用のない者は・・・』』

「通させぬ? 我にそれを言うか?」


絹糸が厳かな声で、狛犬に問いかける。


「今一度問う。我にそれを言うか?」

『『・・・・・・・』』



静かに結界が解けた。

絹糸が前に進む。


地上を見下ろすと、二匹の狛犬たちが絹糸に向かって、ひれ伏していた。
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