GOLDMOON~美しき獣の赤い糸の花嫁~
* * *


「…愛染…」



俺は天使としての記憶を戻し、己の罪に苛まれ始めていた。



天では尊き存在である女性を己の欲望の欲するまま金で買っていた日々。




「今宵の三郎さんは変でありんす」



「…愛染…実はな…」



「!?」



同衾して、肌を重ねた俺たち。



俺の腕の中で眠る愛染の白い柔肌が蝋燭の火でなまめかしく見える。



「…私は妻と離縁する。お前を正妻に迎えたい」




「…わっちを妻に?」



「そうだ…俺は愛染を妻にしたい」



天に仕える者としての罪悪感から出た言葉だった。でも、何度も愛染と夜を共にして…



俺は一人の男として心から愛染を愛してしまった。







だから、足蹴にこの楼閣に通い、愛染を求めた。












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