GOLDMOON~美しき獣の赤い糸の花嫁~
タクシーで言えば、ワンメーターも走っていない距離。

俺は渋面で降りた。



「…ウチには二度と来るな!!グレーのお前が来るとろくなコトはない!!」


マロンは眼鏡越しに俺を冷血に睨み付けた。



同じ闇の世界に居たクセに…



俺も睨みつけて、車列に戻る車を見送った。




俺だって、親父に再会しなければ…歌舞伎町から出て行けたのに。



栞ちゃんのおかげで、俺は忘れていた悔しい思いを心に甦らせた。





< 49 / 264 >

この作品をシェア

pagetop