GOLDMOON~美しき獣の赤い糸の花嫁~

俺は彰から契約書の書類を受け取った。


「はい、どーぞ」


靖が俺たちにコーヒーを淹れ、トレーで運んできた。



「靖…記入漏れないか・・・確認しろ」



「はい」



俺は書類を靖に渡した。



彰は煙草の吸殻をガラス製の灰皿に捨てた。



「まさか・・・大手ゼネコンの社長様がじきじきに俺たちに地上げを頼んでくるなんて…彼は俺たちがヤクザだって知っているんですか？」



「俺たち？俺はヤクザじゃない」



「…半分…ヤクザでしょ？尭耶さんは・・・」


「…」


俺はブラックのコーヒーに角砂糖3個入れ、ミルクをたっぷりと注いだ。



「相変わらず甘党ですね・・・尭耶さん」