GOLDMOON~美しき獣の赤い糸の花嫁~
俺は任意で事情聴取を受けた。



「・・・これが押収した爆発物の破片です」



皇刑事は袋に入った爆発物の破片をテーブルの上に置いた。



「…犯人の心当たりがあると言っていましたね」



「…ああ」



女のような長い黒髪を後ろにひと括りに束ね、フレームの細い銀縁の眼鏡を付けていた。



俺は靖を促し、あの脅迫状を見せる。




「吉原?」



「ウチは吉原のソープランドの弱小店を買い上げて…リニューアルさせようと考えています」



「…あそこは欲望の吹きだまり。そこにまた新たな欲望の種を蒔くつもりですか…」






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