君の隣で夢みた未来
シートベルトをつけながら俺は彼女に言った。


「今日くらい俺が出したかったな…」


「なに?見栄張りたいの?」



明るい声で言い、笑う彼女。


その言葉がなんとなく図星で俺は口をつぐむ。



「いいよ。そんな事気にしないで。今度ね。思いっきりご馳走して」


「…絶対な。おごらせてよ?」


「はいはい」



車をスーッと発車させ、小高い山を登る。


街頭の少ない道を登っていく。


2年前はよく歩いて登っていたものだ。


車だとコンビニから10分もかからなかった。



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