君の隣で夢みた未来
ダイニングテーブルに集まる家族と少しの会話をして、あたしは自分の部屋に戻りパジャマから制服へと着替える。


丁寧にYシャツのボタンを留めて、制服のネクタイをキッチリ締めた。


入学当初はネクタイの締め方を父に特訓してもらって、今では素早くきれいに出来るようになった。


カバンを持ち玄関にそれを放り投げる。


あたしは再び洗面所へ行って歯を磨き口をゆすぐ。


目の前には無愛想なあたしの顔。



「…ふぅ」



溜め息しか出ない。


美咲さんみたいな顔だったら…。


昨日出会ったばかりの美咲さんを思い出す。


派手すぎず地味すぎず。


なのに美人。


あんな風になれたなら、あたしの人生変わるだろうな。


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