君の隣で夢みた未来
楽しい会話をしている間も時間は容易く過ぎていった。


あたしたちの会話を止めたのは昼休み終了のチャイムだった。


一瞬だけ時間が止まり、会話の途中でもそれを止めるしかなかった。


再びあたしたちはガガガと机を移動させ、授業の準備をする。


大嫌いな数学。


さっきまでの楽しい時間が台無し。


机から教科書、問題集、ノートを出して深い溜め息をついた。



「はじめるぞー」



がらりと扉を開けて入ってくる先生。


先生には申し訳ないけど、大嫌いな教科と大嫌いな先生はあたしの中で比例する。


それくらい嫌い。


憂鬱な気分であたしは黒板に並べられた記号を書き写していった。



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