君の隣で夢みた未来
頬杖を付きながら機械的に文字を写していく。


たまに窓の外を眺めて。


例題、基本問題を解くには問題ない。


だけど、練成問題になると途端に躓く。


…もう、意味わかんない。


集中力が切れてしまったあたしはノートの端っこにくるくると小さく落書きをしていた。



また窓の外を眺めてみる。


憎らしいほどに晴れ渡った空。


真っ青なキャンバスに真っ白な柔らかそうな雲が広がっていた。


ふと視線を下げる。


いつもの渡り廊下。


死角だと思って腰を下ろしている人影が一つあった。


もちろん、その人は相変わらず携帯を弄ってみたり耳に当ててみたりを繰り返していた。



…丸見えですよ。先輩。



なんだか、ここから見えてることに気付いていない先輩がなんだか間抜けで頬が緩んでしまう。


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