君の隣で夢みた未来
あたしたちは他愛もない話をしながら、帰り支度をした。


今日は凄く凄く大事な一日になったと思う。


人見知りで無愛想なあたしが、ニコニコと憧れの先輩と会話をしている。


最初こそは緊張したけど、一緒に勉強をして、数学が苦手だって事もバレちゃったし開き直れちゃう気がした。


もしかしたら、夕暮れの通学路にはあたしたち以外制服を着ている人が居ないからなのか、いつかの朝みたいにカバンでネクタイを隠すこともなく歩いている。


駅に着いて、あたしたちは定期券を改札にくぐらせ同じ方向の電車に乗る。


話の合間に携帯をいじる先輩。


メールかな?


誰に?


気になるけど、あたしは先輩に聞くことが出来なかった。


なんとなく、聞いちゃいけない気がした。



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