君の隣で夢みた未来
最寄りの駅に着いて、電車を降り、改札を通り抜ける。


辺りはすっかり夜で、ところどころのネオンがなんだか虚しくも思う。


俺は携帯を取り出して、また彼女の番号を映し出す。


出るかわからないけど、それを耳に当てて彼女の声を待つ。


きっとバイト中だ。


そう自分自身に言い聞かせる。



『…どうした?』



諦めかけてた時、聞きたかった声が俺の耳に入った。


なんだか、すごく安心した。



「今、大丈夫?バイトは?」


『今日は休み、どうした?』


「…。」


『今どこ?』


「駅に着いて歩いてる」



‘どうした?’


そう言われてしまうとなんだか困ってしまう。


だって理由がなくて、ただ声が聞きたかっただなんて照れくさくて言いにくい。


俺が、美咲さんに恋をしているみたいじゃないか。



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