君の隣で夢みた未来
俺は、美咲さんの車から降りて着替えるためだけに家に戻った。



「ただいまぁ」



美咲さんに信用されてないかもしれない。


その小さなショックの所為か少し小さな声で帰宅の挨拶をした。


キッチンからはタンタンタンとリズミカルな音が聴こえる。


母親が晩御飯を作っているんだろう。


階段を上り自分の部屋へ行き、制服をハンガーにかけず脱ぎ捨てたまま細身のデニムに黒いカットソーに着替えた。


夏になりかけてるといえども風はまだ少し冷たい。


だから、俺はチェックのシャツを羽織り財布と携帯をデニムのポケットにねじ込んだ。


再び俺は階段を下りキッチンにいる母親に声をかけた。



「ちょっと出掛けてくる」


「あら、圭介。帰ってたの?ただいまくらい言いなさいよ」


「うっせーなー。言ったよ」


「なによ。その言い方。遅くならないようにしなさいね」


「わかったよ。いってきます」



俺は美咲さんの車へと戻る。



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