君の隣で夢みた未来
それから一時間くらいそれぞれの勉強をしたころ先輩が荷物をカバンの中にしまっていた。


もう、帰っちゃうのかな?


片付け終わった後、先輩はあたしに



「じゃ。お先。頑張ってね」



そう言って図書室を後にした。


あたしは思わず図書室を出て先輩を呼び止めてしまった。


いつもなら出さない大きな声で。


あたしの声は廊下に大きく響いた。


先輩は驚いたような顔であたしの方へと振り返る。



「…あの…!」



不思議そうな顔をして先輩はあたしを見た。



「今度、電話してもいいですか?」



何を言ってるんだ。


あたしは。


自分でも自分がわからない。


だけど、思わず出た言葉だった。


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