君の隣で夢みた未来
思わぬ時に先輩からのメールが来てあたしの魂はどこかに抜けてしまったんじゃないかってくらい呆然としていた。


気が付いたときにはあたしは教室にいた。



「ねぇ?聞いてる?」



花月があたしの席の前の椅子を借りて頬杖をついて頬をぷぅと膨らましていた。


勿論、花月が何を話していたかは知らない。


聞いていなかった。



「ごめん…」


「もう!だからね?夏休み明けに文化祭あるでしょ?」


「うん」


「その時に合唱部の発表の曲決めるから、1人5曲好きなの部長まで提出しろってさ」


「5曲も?」


「らしいよ」


「多くない?何でもいいの?」


「何でもいいんじゃん?あたし5曲も歌いたい合唱曲ないもん」



しれっと言う花月。


合唱部なのに…。


でも、ダメもとでポップス入れてみるのもいいのかもしれない。


部長に怒られたら仕方ない。



「…ねぇ、実子」


「ん?」


「なんかあった?」


「え…?」



突然の花月の問いかけにびっくりしてしまった。



「今日の実子、いつもに増してボーーーーッとしてる気がする」


「そう?いつも通りじゃん?」


「なんかねー、違うんだよなぁ~」



花月がうんうん唸っているとあっという間にホームルームのチャイムが鳴る。


彼女は首を傾げながら自分の席に着く。


今日のあたし、そんなにボーっとしてるかな?


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