君の隣で夢みた未来
「…つぐみ、話があるの」



ノックもせずに部屋のドアを開ける母親。


いつも、ノックしろって言ってるじゃん。


私はそんな母親に一言返すのも面倒で、舌打ちを一つ飛ばした。


母は少し悲しげな表情で言葉を続けた。



「リビングに来て…」



そう言って扉を閉めた。


私はこれから何が起こるか何となく予想はしていた。


後回しにするのは嫌い。


このままリビングに行かなくたって、下されようとしている両親の決断に変わりはないことくらいわかっていた。



「何？話って」



リビングには父と母が並んで座っていた。


二人とも浮かない表情。



「いいから。座りなさい」


低い声でぽつりとつぶやく父。


私は一つため息をついて、父の言葉に従った。




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