君の隣で夢みた未来
前夜に起きたことを思い出しただけで、涙が溢れ出そうになる。


左耳に開けた穴を閉じさせないように、夜中、私は姉の部屋へ行き透明なピアスを一つ受け取った。


姉は「ピアッサー持ってたのに」と呆れたように笑っていた。


あの時も私は泣きはらした顔をしていただろう。


だけど、姉は何も言わなかった。



高校3年の初夏。


私の夢が打ち砕かれた。



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