君の隣で夢みた未来
図書室から入ってすぐに見える学習スペースの大テーブル。


そこに背を向ける席があたしの席。


先輩が座るかもしれないから、あたしは自然と右から3番目の椅子を引く。


そこに腰を掛けて、なんの教科を勉強しようかな?


今日は現代文から始めよう。


ちょうど夏休みの宿題も発表されたことだし。


今のうちにやっちゃえば、楽しい夏休みがあるはず。



そうと決まれば、ペンケースからお気に入りのシャーペンを出して新出漢字をルーズリーフに書き写していく。


図書室に響き渡る幾つかのペンが擦れる音。


冷房の機械音。


時折、出入りする生徒の足音。


どれもこれも、図書室ならではのBGMだと思える。


先輩が来るまでの心地のいい自然なBGM。



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