君の隣で夢みた未来
「先輩、志望校決まったんですか?」



あたしが尋ねると、先輩は少し困った様子を見せた。



「決まってないけど…とりあえずね。」



そう言って参考書をぺらぺらとめくっていた。


先輩は英語を勉強しているようで、度々電子辞書に手を伸ばしていた。


何度か先輩の隣で勉強したけれど、先輩の集中力は凄い。


あっという間に問題を解いていく。


あたしは時折、先輩の横顔を盗み見たりしているから進みは遅いけど、先輩が隣に居てくれるから頑張れる気がする。


今日は先輩の邪魔をしたくないから、数学はお休み。


現代文とか、古文とかそういうものに手を付ける。



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