君の隣で夢みた未来
俺らは帰り支度をして、数人の仲間たちと駅の近くのカラオケ店へと移動した。


テストからの呪縛が解けて、みんな清々しい顔をしていた。


一番最初に居れたのは、今日のカラオケに誘ってきた男。


クラスのムードメーカー的存在のやつ。


レゲエ調の盛り上がる曲を入れていた。


そのイントロが流れるとカラオケルームのテンションは一気に上がった。


俺も久々に大きな声を出した気がする。



「けいー。なんか飲み物持ってこようか?」



クラスでも仲がいい女子のななが俺に聞いてきた。


俺はななにコーラを頼み持ってきてもらった。



「さんきゅ」


「どういたしましてー」



ニッと白い歯を出して笑う、なな。


少し小麦色の肌に似合う白い歯だった。


俺は曲を入れていないことに気付き、適当にノリのよさそうな流行の曲を入れる。


タンバリンを持ってはしゃいだり、ソファに立ち上がって歌ってみたり楽しい時間を過ごした。


日頃抱えていた鬱憤が晴れるってこういう事なのだろう。



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