君の隣で夢みた未来
たった2年。


私は2年前まで、この場所にいたのに…。


心の底から懐かしさを感じる。


ここで過ごした3年間を私は、ゆっくりゆっくり思い出していた。



―…元気かな。



ふと思い浮かぶ顔。


こまめに連絡は取ってるし、声も聴いてるし、会ってる。


だけど、この空間でのアイツを私は卒業以来みていない。


オフホワイトのお気に入りのバッグから携帯を取り出す。


この前、タッチパネル式の機種に変えたばかりの携帯。


私は、アドレス帳を開きアイツの見慣れたアドレスを眺める。


『何してる?』と送ろうかと思ったけど、やめた。


授業中かもしれないもんね。



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