君の隣で夢みた未来
ゆっくりゆっくり、思い出を振り返りながら一歩一歩歩く。


入学式、体育大会、音楽祭…


2年生が終わるところまで振り返ったとき、ハッと思い出した。


職員室行かなきゃ。


少しだけ胸のあたりが緊張するけど、挨拶は基本だし。


あの頃の私が大嫌いな場所の職員室へと向かった。



職員室の思い出は嫌な事ばかり。


良いコちゃんで居たくなかった私は、ダメだとわかっていてスカートを思い切り短くしたり、他校のスクールバッグを持ったり…


今考えたら、単なる反抗期だった。


私なりの自己主張だった。




「失礼します」



少し遠慮がちに扉を開け、声を出した。


職員室で一番最初に私に気付いたのは、生活指導の先生だった。


私の天敵。


でも、卒業したから少し派手になった化粧も、明るくなった髪も誰も罰することは出来ない。


文句なんて言われる筋合いなんてないよね。


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