君の隣で夢みた未来
モヤモヤしていたって仕方がない。


夏休みに先輩に会えることを喜ばなくっちゃ!


その時、リビングに居たはずの母親があたしの部屋をノックした。



「実子?荷造りした?」


「今からやる」


「早く荷物まとめなさいよ?」



あたしは生返事を返して、渋々と部屋の整理をした。


我が家は、この夏に引っ越しをする。


おばあちゃんの家の近くに家を買ったらしい。


と言うのも、あたしの受験頃から体調を崩したおばあちゃんの為にできるだけ近くに居てあげたいという父親の希望だった。


住み慣れたこの部屋に別れを告げるのは寂しいけど、夏休み明けから通いやすくなるのが嬉しかった。



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