君の隣で夢みた未来
会場が近づくにつれて、多くなる人ごみ。


二人より背の小さなあたしは二人の背中を見失わないようにするので精いっぱいだった。


少し離れる小さなあたしは、肩を並べて歩いている二人が心底羨ましかった。


とてもよく似合っていたんだ。


二人が一緒に居ることは空気を吸うのと一緒なのかもしれない。



そんな時、あたしが必死に追いかけていることに気付いたのは美咲さんだった。



「実子、ごめん。歩くの速かった?」


「いえ…」


「はぐれちゃうと怖いから」



美咲さんはそう言って優しくあたしの手を引いてくれた。



「あ、ちびちゃん。ずるい。つんちゃんは俺のだからね!」



先輩は子供みたいにニッと笑い、美咲さんに軽く頭を叩かれていた。



「あんたが、そういうこと言うからややこしくなるの!今日のけーすけはついでです!ね、実子」



そう言われてあたしの胸は2回ズキンとした。


1回は先輩の言葉。


もう1回は美咲さんの言葉。


―つんちゃんは、俺のだからね!


この言葉が全てなんじゃないのかな?


先輩、やっぱり美咲さんの事…?


それでも違うっていうのかな?



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