君の隣で夢みた未来
「これ」


私はぐいっと圭介の胸元にコンビニの袋を押し付ける。


圭介は不思議そうな顔をして、中身を見る。



「つんちゃん…」


「もう、用なしだからけーすけにあげる」


「……。」


「ジュースも全部あげる」


「…2本あるよ?」


「考えろ。バカ」



圭介は小さな子供が親に怒られたかのようにしょんぼりしながら「ごめんなさい」と呟いた。


圭介の悪い癖だ。


自分が悪いわけじゃないのに、すぐに謝ってしまうところ。


唯一、圭介の嫌いな所。



「…けーすけが悪いの?」


「わかんない…」


「じゃあ、謝るな」



私はそう言って圭介の手を取った。



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