君の隣で夢みた未来
しばらく続く沈黙。


その間を取り繕うように響く波の音。


真っ暗な海の中に私の心が同調してしまいそうになる。



「もし、実子が‘好きだ’って言ったら、けーすけはどうするの?」



私の質問に圭介は少し黙る。


そして、こう言った。



「…相手しないよ。ない。」



とても冷たい口ぶりだった。


でも、どうしてだろう?


私は少しだけ安心してしまった。



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