君の隣で夢みた未来
「はぁ…」



私は大学のカフェテリアでアイスカフェラテを飲みながら携帯と睨めっこ。


あの花火大会から、胸の中に生まれてしまったモヤモヤが晴れない。



「でっけぇ溜め息だな」



後頭部に投げられた声。


翔がカバンを片手にニッと笑っていた。



「どうしたよ?」



手にしていたカバンをドンとテーブルに置き乱暴に私の隣に腰掛ける。


頬杖をつき私をじっと見る。



「…なに?」


「いや?元気ないなぁと思っただけ」


「…まぁ、元気っていうか…ちょっと…」



ごにょごにょと口ごもる私に少しだけ驚いたようだった。



「圭介くん?」



翔の口から圭介の名前が出てきた事になんだか違和感を感じた。


でも、まぁ、会ったことがあるんだから当たり前か。



「けーすけのことって言うか…ん~…」



私が再び口ごもると彼は一言「一服しねぇ?」と言って座ったばかりの椅子から立ち上がった。


私はこくりと頷きカバンを持ち彼の後をついていく。



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