君の隣で夢みた未来
喫煙所に二人並んで座りお互いに飲み物をすすりながら花火大会のことを話した。


実子が元気なかったことや、私が実子の存在を放っておけないことを。


あと、最近、圭介からの連絡が減ってしまったこと。



「お前、それで最近、携帯眺めてること多いの?」


「え?そんなこと…」


「あるよ」



翔は大きくため息のような煙を吐き出してこう言った。



「…お前さ、圭介くんの存在は本当に'恋愛’じゃないわけ?」


「うん…」


「俺は、その答えに疑問を抱くわ」



翔の言っている意味が分からなかった。


どういうこと?



「お前が圭介くん呼び出したとき、全然表情違ったぞ。自覚ないの?すげぇ楽しそうだったよ。俺らの前じゃ見せたことない顔してた。お互いを必要としてるのが凄くわかった」



次第に翔の言葉が強くなっていく。


どうして、彼がそこまで熱くなっているのかがよくわからない。



「お前ら、同じ答えなんだよ。あの時、あいつらもお前のこと本当に何も思ってないのかって。圭介くん少し考えて言うんだよ。俺らが聞き飽きてる言葉を」


「じゃあ、そうなんだよ」


「…気付いてないの、本人たちだけなんだな」


「え?」



次の翔の言葉に私は耳を疑った。



「お前さ、気付いてないの?」


「何が」


「もう、答え出てるんじゃねぇの?」



ねぇ、翔ちゃん…。


何を言ってるの?



< 353 / 496 >

この作品をシェア

pagetop