君の隣で夢みた未来
あたしは飽きもせず、またメール作成画面を開く。


カチカチと文字を打ち込む。


あたしには考えてる暇なんかない。


落ち込んでる暇がない。


きちんと希望があるのか、ないのかはっきりするまで頑張るしかないんだ。


理由なんて作ればいいじゃん。


先輩の横を美咲さんから奪うなんて出来ない。


だったら、せめて、反対側の隣にはあたしが居たい。


美咲さんの場所なんか欲しくない。


だったら、自分で作るしかない。



【こんばんわ。先輩、夏休みの課題でわからないところがあるんです。今度教えてくれませんか?】



あたしは一つ息をついて送信ボタンを押した。


先輩の返事次第で会う理由が出来る。


あたしはあたしのペースで先輩の視界に入る方法を探さなくちゃいけないんだ。



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